2006年2月　産屋沢	2008年3月　八右衛門沢	2009年2月　表六百沢	2009年4月　中畠沢/六百山周回
2011年2月　六百山/蝶ヶ岳			霞沢岳周辺　概念図

北ア・上高地裏山探検スキー　その２ 〜　六百山・白沢　＆　蝶ヶ岳・黒沢　〜 2011年2月5〜6日　亀岡岳志（単独） 2/5　六百山・山頂付近
今回の計画、メンバー募集したのだが、誰からも申し出が無く、単独行となった。山を終えて、皆さんの賢明さに感心した。誰かが来てくれていたら、私は平謝りに謝らなければならなかったろう。しかし、ろくでもない山スキーだった（特に初日）のに、不思議と充実感がある。雪質、天候ともに恵まれた？北ア南部とはいえ、変わったラインから単独で厳冬期の頂二つに立ち滑ったことは面白かった。 ■２月５日　六百山・白沢滑走 　松本からなじみのタクシーに頼んで中ノ湯売店まで。観光地路線でもタクシー業界はますます厳しいようだ。 　明神まで工事車両が入るので、大正池下のからまつ橋まで除雪されている。産屋沢、八右衛門沢となつかしく通り過ぎる。晴れて焼岳や穂高もよく見える。カメラマンやスノーシューの団体とすれ違う。明神にデポして下白沢に入る。しかしそのまま沢を詰めてP1978コルまで出たのが大失敗。以後急な藪こぎスキーで、一時間で100ｍも登れない。P2258から北に延びる尾根に出たときは12時を回ってしまう。少し前から雪が降り出した。視界も悪くなるが、おかげで時々見える六百山の頂稜が、荘厳だ。計画では霞沢Ｋ２を目指していたが、とても届かない。2350ｍのコルの上の肩で終了。 　北面の六百沢の雪は良さそうだ。南面の雪が悪いのは分かりきっている。しかし、今回は白沢を滑るために来たのだ。誘惑を振り切りドロップ。谷は比較的広いが、クラストの上に新雪が5ｃｍほど乗っており、それなりにスラフが出る。小デブリも多く、快適とは言えないが、それでも2000ｍの二俣までは楽しめた。以後は谷が狭く、流水も出て、ルーファイに苦労する。何回もスキーを脱ぐ。最後は堰堤４連発、雪庇を崩してからの垂直の鉄ばしごの下降はかなり恐かった。何をしているのか分からない。徳本峠からの黒沢を合せてからは、林道は工事車両が入っており、除雪されていた。へとへとで明神着。暗くなって徳沢園に到着、小屋番さんに詫びた。 ■タイム　ムーンライト信州で松本〜タクシーで釜トン入り口（中ノ湯売店）5:40−出口／シール装着5:55-6:25−八右衛門沢橋7:10−河童橋7:45−明神8:30−下白沢経由P1978肩−主稜線2235ｍ付近12:40−ドロップポイント2430ｍ付近14:40-15:05−白沢滑走−明神17:00−徳沢園18:05
2/5　河童橋の表面霜	2/5　六百山・山頂
2/5　右の小ピークよりドロップ	2/5　白沢　この当たりまではまあまあだったが...
■２月６日　長塀尾根−蝶ヶ岳−黒沢−徳沢 　朝ゆっくり起きる。暖かい部屋と布団のおかげでかなり回復した。 　長塀尾根のはじめの300ｍはやや急だが、それとてシール登行の苦にならない。淡々と足を前に動かしていれば進む。黒木の森を一人で行く楽しみ。雪は締まっていてほとんどもぐらない。梢越しに明神が赤く焼けていく。1900ｍからはスキー向きの尾根が続く。滑っても悪くなさそうだ。長塀山の先は、窪地や二重稜線で地形がわかりにくい。無雪期だと池があるようだ。蝶ヶ岳の手前で森林限界を抜け、曇りながらも大展望が開ける。 　山頂から西の黒沢に滑り込む。上部が雪が飛ばされ、灌木まじりの堅雪斜面だが、すぐ雪が溜まりだし、くるぶしのパウダー。オープンバーンは一瞬で終わり、樹林帯の中の狭い谷となる。雪崩の危険はほとんど感じない。疎林で、谷の両岸は比較的開けていて、滑るのに苦労はしない。下部で一ヶ所板を脱いで、流水を渡るが、昨日に比べれば楽勝だ。最後は左岸の段丘状を滑って梓川に出る。川の向こうに前穂東壁がそびえる。白く広々した河原をのんびり歩いて徳沢園。越冬の小屋番さんにお茶をいただき、ゆっくり世間話。冬の間、ずっと一人で交替も無く山も降りないそうだ。驚いた。再び明神まで雪の河原を歩く。梓川は埋まっていていつの間にか渡ってしまう。以後はスノーシューの高速道路から工事車両用の除雪道路を歩き滑った。 　冬の週末の上高地は混雑しているが、一歩山には入ると人は少ない。二日間とも、山では人に会わなかった。 ■タイム　 徳沢園6:15−長塀山9:25−蝶ヶ岳10:25-40−黒沢滑走−梓川河原11:35−徳沢園12:40-13:40−河童橋15:20−釜トン入り口（中ノ湯売店）16:45
2/6　蝶ヶ岳森林限界上の二重稜線状地形	2/6　穂高と槍
2/6　黒沢上部。灌木が埋まらず。常念岳もまだ小雪。	2/6　梓川より前穂高岳